こんにちは。パン屋のぜにこです。
パン屋の前は公衆衛生の研究者なんてやっていたぜにこの目線で、 みなさんの疑問や不安にお答えしてみようと思います。
Stay home 解除から1ヶ月。
先日 「第二波」についてのコラムを書いたところですが、いよいよ東京都の新規感染者数が2日連続で100人を超える状況となりました。
ニュースなどでは「4月◯◯日以来の」なんて表現もあり
「もしかして、あの最悪の時にもどろうとしているんじゃないか??」という不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
とはいえ、東京都はまだアラートすら出していません。
なんで?
って思いませんか?
そもそもですが・・・
緊急事態宣言は、なんのために出されたんでしょうか。
感染者を増やさないため。
・・・正解ですが、100%ではありません。
医療機関の負担を増やさないため。が、やや事実に近いです。
患者さんがこれ以上のペースで増え続けても、医療機関は受け入れられない。
したがって、感染症のコントロールが困難になり、さらに感染が広がり続ける・・・ということです。
車に例えて単純化すると、
感染者の増加が「アクセル」
医療の提供が「ブレーキ」です。
アクセルを踏んでいても、ある程度の速度まではブレーキが効きますが
全力でアクセルを踏み込んだら、もはやブレーキが効きません。
速度が早いからと、あせってフットブレーキを踏みすぎると、こんどはブレーキ自体効かなくなってきてしまいます。
そんなわけで、緊急事態宣言は
まだブレーキが効く間に、アクセルをゆるめようぜ!という話なのです。
さて、3月末頃の状況を、なんとなく思い返してみましょう。
当時は、PCR検査を受けられる方は非常に限られており
症状があり、受診した方の一部でした。
医療機関も検査体制も、未曾有の自体に右往左往していた3月ごろ
PCRを受けた人たちは、症状があり、かつ主治医がほぼ陽性なのだと思った患者さんだったと考えていいと思います。
そりゃ、陽性の方に重傷者が多くなりますよね。
ふつう、インフルなんかを考えてみれば
インフル陽性だからといって、重症かどうかは関係ないですよね。
コロナだって同じことなのですが、「陽性=ヤバい」感じになっていたのは、当時本当に検査を受けることができてさらに陽性だった人は、重症であることが多かったからでしょう。
さて、同じぐらいの「検査陽性患者数」となっている現状を見てみると・・・
PCR検査には余裕があり、できるだけ「夜の街」などリスクの高いお仕事の方は無症状でも受けるように、ということになっています。
つまり、検査を受けられる人の数が圧倒的に多くなっています。
4月ごろは、症状があっても検査できなくて、
いまは、症状がなくても検査できる。
もし、4月頃に今と同じように「症状がなくても検査できた」としたら・・・
もっと「検査陽性」の方は多くなったはずです。
無症状の方も、軽症の方も、検査を受けていたら「陽性」だった可能性があるわけですから。
そんなわけで4月ごろの「感染者数100人」と
いまの「感染者数100人」は、随分と中身が違いそうなことが想像できます。
実際、東京都の判断のもととなる専門家のご意見によると
若年、軽症の感染者が7割程度とのこと。
これが、重症7割になってくると、いよいよ「第二波」か・・・ということになりますが
まだ少し、状況としては最悪までには至っていないように思います。
数字というのは怖いもので
「4月初めと同じ感染者数100人に達しました」と言われたら
また同じように大変な状況なんだ!と思ってしまいそうになります。
人数は同じ100人でも、なかみが違うということを理解しつつ
今後、人数の増減だけでなく、中身に注目してみていただきたいです。
100人超えたんだって!やべ!って言ってたら
うちの小学生男子と同じですから😆
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